●日常遭遇する病気は指圧の守備範囲
東洋医学は一般的に「機能的な病気(働きが狂うことによって起こる病気)」に効くと言われますが、実際は器質的な病気にもよく効くようです。これは指圧も同じで捻挫や打撲、胃炎、心疾患など、器質的な病気にも確かに効果があります。東洋医学の治療原理ではどんな病気でも「治療できる」ので禁忌症(扱ってはいけない病気)はありません。現実に治療院の中にはどんな病気でも治すと、その効果を宣伝している人もいます。しかし現在、厚生労働省は「圧して血が出るもの(例えばガンや潰瘍など)」や「圧すと感染するもの(例えば皮膚病など)」などは指圧の禁忌症として規定しています。
ただ指圧の場合、潰瘍やガンであっても治療方法を工夫すれば安全に施術できます。また最近増加傾向のテクノストレス症候群(めまい、偏頭痛、眼精疲労、手の痺れ、倦怠感、全身疲労感、心悸高進、孤独感、疎外感、憂鬱)などにも大変効果があります。昨今の病気は程度の差はあっても精神的なストレスがかかわって発症するケースが極めて多く、そのようなケースにも指圧は大変効果があります。個々に病名を挙げてもきりがないので、日常遭遇する病気は指圧の守備範囲と考えて差し支えありません。

●回復力はその人の生命力
回復のプロセスは、その方の回復力に依存します。つまり回復力が旺盛な人は比較的短時間で回復しますが、それが乏しい人は時間が掛かるという事です。これは単純に「体力」と言うことではなく、むしろ「生命力」と言った方が適切です。日常不摂生をしている「体力のある」若者よりも、日常摂生している「体力のない」年寄りの方が「回復力」は強いのです。東洋医学で言う回復力と言うのは、そういった「外面的」なものではなく「内面的」なものなのです。それが強い人ほど速やかに治ります。体力が回復してゆくプロセスも人それぞれです。トントン拍子に回復してゆく人もいれば、最初はある程度回復するものの、その後伸び悩む人。またなかなか目立った回復を示さない人など。更に血色も体力もありそうなのになかなか回復しない人や、一見よぼよぼして体力がなさそうなのに意外と速やか治ってしまう人など実にさまざまです。

●指圧で治ると再発はしない
また指圧で良くなりますと再発しにくくなります。それは指圧によって体力がつき体調が上向くからです。もう少し正確に言いますと、指圧によって強くなった体が自らの力で病を克服しようとするからです。一旦強くなった体は不摂生な生活をしない限りは、簡単には弱くなりません。実際経過を拝見していますと指圧治療後に再び「ぶりかえし」を訴えてくる人はほんの僅かです。