「半健康症候群」の増加
昔は病気と言えば転んで怪我をしたとか、悪いものを食べて腹痛を起こしたとか、薄着で風邪を引いたとか原因と病気とが意外に単純でした。従って病気を見れば何が原因だったかすぐ察しがついたものです。ところが最近は昔のように病気から原因がすぐ推測できない病気が増えたような気がします。俗に「半健康症候群」と呼ばれるものがそれで、一見ピンピンしているのに本人は何等かの症状を抱えている場合です。本人は病院に行って症状を訴えるのですが、検査では全く異常がないか、あってもたいした事のない場合が殆どです。結局、気休め程度の薬をもらって帰宅…。最近はこのような方が増えているわけです。しかし異常ないと言われても本人には症状はあるわけで、一人悩み苦しむことになります。元々症状も激しくないので、社会生活が営めない事はありませんが、行き場のない不快感から次第にフラストレーションが募ります。

今時の病気…それは「情報病」
原因は複雑な社会構造や人間関係などがそのような病気の原因だと言われています。社会や人間関係のストレスが体調を狂わすのだと言うわけです。確かにこの症状を訴える人には、人間関係など社会的なストレスがあるようです。不平不満や怒りなど精神的な訴えがあり、この比重が症状と同じくらい大きいのです。これが昔の病気とは違うところです確かに社会構造の変化からストレス過剰の社会になっていますが、我々自身もそれに十分適応出来ないという側面もあるようです。昔はこれほど「余計な情報」が蔓延してはいなかったので、社会の流れも比較的ゆっくりしていました。社会に振り回される事はなく、適応するにもゆっくり適応出来たと思います。しかし情報が溢れ出し、それに連れて社会の変化が激しくなると、これまで少なかったノイローゼという病気が市民権を得てこれに悩む人が増えてきました。欧米では、これは過剰適応の姿だと指摘する学者もいます。

●情報の取捨選択を…
ではどうすれば良いのでしょうか。もしこれらの説が真実だとすれば、身の回りの情報が私たちを混乱させているわけですから「情報の取捨選択」こそがその解決になるはずです。とくに良い美味しそうな情報でも、自分に必要ないものなら「あえて捨てる」ことがキーポイントではないでしょうか。社会は様々な情報を送りつけ、これでもかと私達の欲望を刺激し続けています。しかしその総てを受け入れていればパンクしてしまいます。その結果が病気なのですから。
私たちが個人として生きて行くには、実は限られた情報で十分なのだと言うこと。そして必要以上の情報は私たちを害する事はあっても、益する事はないのだという事を学ぶべきなのかも知れません。