●お腹をみれば不調がわかる…
『おなか』を見れば病気がわかる」と言ったら、大半の人はそんな馬鹿なと疑うでしょうね。しかし漢方ではコレをやるのです。おなかを診て体の異常を把んでしまうのです。ここで言う異常というのは、他でも述べていますが「体調」の事です。つまりおなかを診る事でその人の体調を把握します。漢方では「病気」そのものは言い当てません。診察では血液検査やエックス線を使って調べるわけではなく、体表に触れたり声の調子や姿形などを診て診断するのです。また「病名」というのは西洋医学のもので、漢方には「病名」という概念はありません。ではどうやってお腹の触診(切診と言います)から体調の良不良を把握するかというと、それは健康人のおなかの「弾力やコリ、圧痛」を基準にして推し量るのです。体調が良いときは弾力もあり痛みもありませんが、悪くなると力が弱くなったり、おなかに圧痛が現れてきます。そのズレを診て体調のズレを判断しているのです。非常に人間臭い診察で信頼性に欠けるのではと思われる方もいると思いますが、意外とやってみると大きなハズレはありません。むしろ人間臭い分、患者と痛みを分かち合う事ができ治療の失敗も少ないのです。

●お腹の中の「圧痛」に注意…!
ちなみに体調が悪いとき、夜寝床でご自分のおなかを手の平で圧してみて下さい。大半の人はおなかの奥にコリやズキンとするような痛みがあるはずです。それが圧痛です。このコリや圧痛が多いほど、コンディションが悪いのです。ちなみに疲れた日や自分でも体調が悪いと自覚する日などにこれを試してみて下さい。必ず痛みがあるはずです。ところが指圧を続けますと次第にこの圧痛が消えて行きます。と同時に体が軽くなったり疲れを感じなくなったり、体調の変化に気づくようになるのです。手のひらで軽く圧してもフワフワと弾力が戻って、内部のコリや痛みなどが無くなります(または小さくなります)。これが健康な状態と言われるおなかです。

●『つき立てのモチ』のようなおなかが理想
加えていうならば、仰向けに寝たときミゾオチからおへそにかけて真っ直ぐ伸びて、そこから下までふっくら盛り上がっているおなかがベターです。そしてそれを触った感じが『つき立てのモチ」の感じ。しかし今では「つき立て…」と言っても触れる機会がないでしょうから、「赤ちゃんのおなか」と言い換えましょう。これが健康無病のおなかです。これが体力が低下するとミゾオチからおへそまでの間がぺコンと凹み、まるで船のヘサキのように抉れた感じになります。これは体調低下を示しているのです。
このようにおなかは体力(または体調)を示す指標になりますので、指圧や漢方では自分の治療が効いたかどうかをおなかの状態をチェックして吟味するわけです。